一般質問
2021年12月17日
一般質問を行いました。
今回は以下の3つの質問についてお伺いしました。
本番では用意した10分の1しか使いませんがレジュメも毎回まとめています。
1.オンラインで姉妹都市交流を
問:米ミシガン州スー・セー・マリー市との姉妹都市交流はコロナ禍で停滞している。中学校ではICT整備が進んでおり、オンライン交流をしてはどうか。
答:時差の関係から授業時間中は難しい。今年度はビデオレターを作った例もあり、今後色々な方法で交流していきたい。
2.地域おこし協力隊の取組は
問:前回(令和2年3月)に質問してから公募は一度も行われていないが、その間の経緯と、今後の予定は?
答:ゴミの資源活用で検討したこともあったが、広域行政上の課題であり実現が難しかった。来年度はどのような活動をしていただけるか町で洗い出していく必要があると考えている。
3.関係人口の考え方は
問:関係人口は、地域に暮らす「定住人口」や観光等で来訪する「交流人口」でもない、地域と多様に関わる存在とされる。本町の関係人口をどう定義されるか。今後想定される取り組みは。
答 本町においては、近隣市町に近居する町出身者、138.8%という高い値を示す昼夜間人口を想定し、まずは町に関係のある方々とより関係性を高めていきたい。今年度から取り組むシティプロモーションで、上記のうち20~30歳代の男女をターゲットとする。また、サブターゲットとして企業等の住宅地の開発を誘導し、受け皿を確保することで、関係人口を定住人口へとつなげていきたい。
以上が質問の大要です。
【解説と質問の経緯】
1.オンライン交流の姉妹都市交流にすでに全国的に取り組みが進んでいます。姉妹都市交流は使節団を相互に派遣するに越したことはありませんが、コロナ禍でこの先数年は難しいと思います。そもそも姉妹都市交流は、人を送る、というより、互いの交流を深める、ということに目的があります。コロナで人が行き来出来ないからといって、すべて止めてしまうのも違うと思います。おりしもギガスクール構想で、小中学校では一人一台タブレット端末が整備されました。これを活かさない手はないと思います。中学校は2年に一度派遣事業をおこなっていましたが、タブレットを利用した交流も可能であると思います。
個人的な意見では、オンラインの交流は言葉の壁のハードルが高いと思います。たとえば、画面の向こうにいきなり現れたアメリカ人に皆さんは中学生のとき堂々と英語で意思疎通できたでしょうか?それこそ帰国子女レベルでないと面食らってしまうようなことだと思います。そうではなく、ビデオレターを生徒たちで考えて制作して、字幕などもつけたりして、やり取りをする。そのことがICT教育にも英語教育にもつながると思います。オンラインは時差の壁も越えます。あまり難しく考えないことが大事だと思います。
2.地域おこし協力隊については、私が協力隊だった当時と比べてだいぶ制度整備が進みました。竜王町役場はもしかしたら私がめんどうな隊員だったことも手伝って、二期募集に及び腰なのかもしれませんが、そうであるなら「移住定住」など軽々と口にするべきでないと思います。総合計画にそういうことを謳っているのなら、地域おこし協力隊の採用も当然検討すべきです。ただでさえお金がない自治体なので、国の予算措置を受けられる協力隊制度などを上手に活用し、社会活動の解決にむすびつけるべきだと思います。新しい隊員を入れる、というのは確かに事務方の負担も相応にあります。わたしも出来るサポートをするので一緒にやりましょう、と言っています。
3.関係人口については、最近の町おこしの主流になりつつある考え方を取り入れています。たとえば昼間町内に働きに来る方・観光にお越しになる方は「交流人口」として定義されます。一方に竜王町に暮らし、衣食住の拠点を構える方を「定住人口」といいます。「関係人口」は両者の中間にある考え方で、暮らしや町おこしに興味はあるけど、まだ本格的に深く関わる(骨を埋める)という前の段階にある人達のことです。
田舎あるあるで、いきなり定住してくれないか?嫁に来てくれないか?骨を埋める気はあるのか?と聞いて、都会の人をドン引きさせてしまうことがよくあります。もとめるハードルが高すぎて、0か100であるため、中間層の取り込みに失敗しているのです。関係人口は、中間的な位置で滞留することを認めて、都会に住んでいても町おこしを手伝ってくれるならそれでいいではないか、という考え方をもつことです。
関係人口は2016年に初めて言及された言葉ですが、この5年間で一気に重要なワードとなりました。その背景には、人口減少局面にある日本で、いくら人の奪い合いをしても不毛であることに国もようやく気づいたことが背景にあります。人が100人増えても、それはどこかの町で100人減っているということです。全体としてみれば単なる人口移動であり、和の総数は変動しないゼロサムゲームという側面があります。そのため大事なのは数値を追うことではなく、移動する人たちのなかでいかに町おこしのプレイヤーとして関わってくれる人を発掘できるか、という点です。
竜王町の回答は、まだまだ古いと思います。竜王町は全国的にも昼間の人口が40%程度多く、流入過多の地域です。その方々が働きには来れども定住はしない、という現実が何十年も続き、人口増加にも結び付けられていないのが現実です。コンパクトシティの計画には宅地開発も謳われており、たしかに受け皿の確保は大事なことですが、そのことと、地域づくりに関わってくれる人の発掘は全く別のことです。人が増えてもコミュニティの希薄化が止められないのは、都会がよく示しているではないですか。竜王には町おこし人として関係してくれる人の取り込みの必要である、と私は思います。協力隊制度はそうした意味で有効な施策の一つです。