令和7年第1回竜王町議会定例会で提案されたグラウンドゴルフ場の条例案に反対しました。
議員になって今回初めて反対票を投じました。
反対意見の要旨は、利用料を無料にして公金でメンテナンス費用を支出すると、他団体と不公平になるから料金を取べきというものです。
竜王町では本年9月に、祖父川河川敷に専用のグラウンドゴルフ場ができる予定ですが、まだまだ検討すべきことがあると思います。
反対討論
「議第12号竜王町祖父川公園の設置および管理に関する条例」の委員長報告について反対の立場から討論をいたします。本条例案は次の3点において、いまなお十分な議論が尽くされていないと考えます。
1. 公共のスポーツ施設における費用負担の考え方と公平性
本町のスポーツ施設は公費補助と受益者負担の二つの軸によって運営費を捻出しています。とくに受益者負担については、町民に対しては町内料金がある一方で、町外利用者には多くの施設で1.5倍ないしは2倍の料金設定をして負担を求めています。
しかしながら、今回の条例案ではグラウンドゴルフ場の利用料金を町内・町外利用者を問わず無料とするものと提案されています。本施設は町税で整備し町税で維持管理をするものです。町税で整備し維持をする施設を町外利用者まで無料とすることには疑問が残ります。
また一部施設だけ無料化することで、町内の他のスポーツ施設利用者との間で不公平感が生まれます。たとえば竜王町のスポーツとして現在PRをしているスポーツクライミングであっても、無料化はなされず、中学生や高校生など実質的に所得がゼロ円の子どもたちであっても利用にあたって金銭的な負担をしています。
今般のグラウンドゴルフ場は維持管理の一部について競技団体の協力を仰ぐこともあり無料とする、と委員会ではお伺いしました。しかし施設整備の一部をスポーツ団体が担う条件として利用料が無料となるなら、他のスポーツ施設、他のスポーツ団体も同じように対応しなければならなくなります。
本来無料化は、本町のスポーツ施設全体の料金徴収のあり方と一体的に議論しなければならないものです。無料化は一見良いものですが、慎重に議論しなおかつ中立性が担保されなければ、町民間で不公平感やあつれきを生む可能性があります。
2. コスト面の課題
グラウンドゴルフ場の維持管理費については年間700万円程度が必要とされています。これはグラウンドゴルフ場を持ち続ける限り毎年度ごとに必要となる金額です。つまり15年経てば約1億円の費用が見込まれます。これは本町のスポーツ施設としては高額なものであるため、町の将来的な財政負担を考慮し、費用の一部については利用者に負担をお願いすべきです。
このことに関連して県内の事例を調べましたが、野洲川、愛知川、宇曽川などの河川敷には本町のケースと同様にグラウンドゴルフ場が整備されています。これら河川敷のグラウンドゴルフ場は県内に計12施設あり、このうち無料で利用できる場所は3施設ありました。そして、その3施設のうち2施設については多目的グラウンドであり、他の野球やサッカーなどのスポーツでも同様に無料で利用できる公共性が高いグラウンドです。
調査したなかで専用のグラウンドゴルフ場として整備され、なおかつ無料で利用できるのは近江八幡市の日野川河川敷のグラウンドゴルフ場です。芝生等の専門的な維持管理については近江八幡市は入札公告にかけ、令和7年度の委託契約については造園会社と年間110万円の委託料で結んでおられます。そして、その他日常的な維持管理については近江八幡市のグラウンドゴルフ連盟と委託契約を結び、いま申し上げた落札価格に満たない金額で年間の保守をお願いしているということでした。
このことから、本件については年700万円というグラウンドゴルフ場としては突出して高い財政負担がかかる県内では類を見ない施設であることがわかります。近江八幡市の事例を参考に、管理責任をより明確化しコストの縮減を図るべきです。
3.経済効果と健康福祉効果
グラウンドゴルフ場の整備をすることによって、町外からの誘客効果、経済効果などが期待される側面もあります。しかし一方で祖父川公園のグラウンドゴルフ場の駐車場スペースは15台分しか確保されていません。そのため、利用者を呼び込む効果は限定的で、広く町外から人を集める設計とはなっていません。
また健康福祉に貢献するという側面についても、健康寿命の延伸や医療費の削減は他のスポーツも持つ効果です。
そして世代間のバランスを考慮するなら、高齢者が競技人口の多くを占める本施設を無料とした場合、他のスポーツ競技や若者世代への支援も同時に考えるべきです。町の顔として国民スポーツ大会を控えるスポーツクライミングにかかる施設についても無料としなければ、この際、公平性を欠くといえるでしょう。
以上のように本条例案は、町内の他のスポーツ施設や各種スポーツ団体との整合性、公平性、財政面の裏付けなどについて、根本的な議論が不足していると考えます。
無料化に乗り出す以前に、町全体のスポーツ振興・健康増進施策の在り方を見据え、利用料金制度の意義や公平性の確保、また施設を整備する政策的効果を包括的に再検討することを強く望みます。私達が常に念頭に置かなければならないのは、町民全体の利益と公平性であります。このことについて同僚議員のご理解とご賛同をお願いしたいことを申し上げ、以上、反対の討論といたします。