【所管事務調査】
2022年6月10日
総務産業建設委員会と、教育民生常任委員会の会議がありました。
【竜王町版バイオマス計画】
昨年12月議会で話のあった竜王町バイオマス産業都市構想について進捗の報告がありました。トヨタは2050年に二酸化炭素のゼロエミッション(CO2を全く出さない)をグループ企業を含めた目標として掲げています。必然的に傘下のダイハツ工業でも、CO2削減に向けた取り組みが計画されています。
そんな中で、竜王町の畜産で出た牛糞や、麦や稲藁などこれまで肥料にしたり燃やしたりしていた資源からメタンガスを抽出して熱エネルギーに還元するバイオマス計画があります。バイオマスとは、化石燃料を除いた生物由来のエネルギー資源のことです。
まだ計画は国の採択を受ける前の段階ですが、ダイハツ工業とタッグを組んで、町内で出る牛糞やゆくゆくは稲藁などを貯蔵しエネルギーに転換する施設の建設が検討されています。メタンガスを抽出した後の資源は土壌に還元して、肥料などに活用し、循環を生んでいくというものです。
ただ、委員からは臭気について懸念する声が多く出ました。現在でも牛糞は田んぼの肥料として利用されていますが、匂いに対する苦情もあります。牛糞は乾燥しきったものを撒かないといけませんが、乾燥が不十分なままだと匂いを発して住環境にも悪影響を及ぼします。加えて、バイオマス発電では湿った状態の牛糞を蓄積しないとメタンガスが抽出できないため、ニオイ対策はかなり真剣に考えるべき課題です。
現状ではバイオマス産業都市とは構想の前の段階なので、まだ絵に描いた餅の一筆目といったところで詳細は決まっていません。一見して良いことで、地球環境にも良いことが、では地域の住環境にとっても良いこととして両立するかは今後の検討課題となっています。
【新小学校建設について】
午後の教育民生常任委員会では、中心核整備事業で2025年4月に完成する予定の新しい竜王小学校について、建屋の具体的な建設案が示されました。
計画では小学校は二階建てのロの字型で建物の中心に中庭を整備すること、教室は二階におき、一階部分は工作室や音楽室や支援学級の教室、教室と廊下の間には仕切り壁がなくワークスペースが併設される、という素案が挙げられました。今年一年はまだ色々な意見を取り入れて、内容については微修正も行われます。
隣接する体育館は災害時には避難所として活用することになります。建物のキャパ、避難所として何人が収容可能かという点の試算はこれからということでした。「小学校建設」というと児童生徒や子育て世代のみに関係する話題になりがちです。そうではなく、災害時の拠点整備は、全世代に関係することです。教育施設の刷新だけではなく、中心核整備は防災拠点の整備や、住民サービスの向上など全住民に関係する事業です。まだまだ検討の余地はあると感じました。
来週は16日の木曜日に一般質問を行います。
今回は、3月に不祥事があった地域振興事業団への行政の指導のあり方、竜王町で長年続く英語表記の曖昧さの問題について質問します。