【予算決算常任委員会】

9月15〜17日にかけての3日間、令和2年度の決算審査が行われました。

決算審査とは、行政のお金の使い途を全て記載した決算書と報告書(代表的な事業を明記)をもとに使途の目的を聞いたり、税金を使った効果を質問するものです。

今回が議員になって2度目の決算審査でした。昨年は用語やお金の流れなどでよく分からないこともありました。今年は比較的全体がよく理解できました。

【コロナ禍での町税収入の増減】

令和元年度と比べて大きく減ったのが法人町民税です。法人町民税とは一人ひとりが払う住民税(町民税)の企業バージョンです。元年度は13.2億円でしたが、2年度は6.6億円と大きく減りました。これがコロナ不況で特徴的な税減収です。法人税は赤字決算の場合は利益が発生しないため、ゼロになります。町内の企業・事業所の収入減を大きく反映したものとなりました。

一方で、前の年と比べて大きく増えた町税収入もありました。大きく目立つのは固定資産税で、約1.8億円増となりました(総額は約19億円)。これは企業の設備投資に対する投資が進んだことによって、税収が増えたものです。たとえば、1,000万円の設備を導入した場合、年間で14万円の固定資産税がかかります。(設備の耐用年数によって、毎年納税額は減少していきます)

竜王町の特徴は、町民税(法人税と住民税)と固定資産税の二つが税収の約95%を占めることです。特に企業の売上や経済の浮き沈みの影響により、法人税は上がり下がりをします。一方で、固定資産税収入については、減価償却により徐々に減る分もありますが、設備投資が進むほど安定的な収入となります。

具体的には工業団地として造成された立地に企業が入居して、工場の整備が進むほど税収は増えていきます。竜王では岡屋・山面に二つの工業団地の誘致が進み、操業もスタートしています。誘致のインセンティブとして、固定資産税の軽減期間などがありますが、不況にも強い安定的な税収を本町では固定資産税の面から確保する試みが進んでいます。工場が立地し、設備投資が進むのは転ばぬ先の杖でもあるのです。

もう一つ、町に入ってくる代表的な税収には、ふるさと納税があります。H30には1.2億、R1は1.8億となり寄付額は徐々に増えています。R2は1.99億円となりほぼ2億円に届くところに来ました。主力商品は近江牛で、お肉は強し、です。頂いた寄付額の活用方法として町内の小中学生の医療費無償化や、学校園運営の運営に必要な財源に充てられています。

【コロナ禍で過去最大の財政規模】

毎年60億円ほどの財政規模の竜王町ですが、令和2年度は歳入が84億円という過去一番の規模となりました。この大きな要因は、昨年菅政権で国民一人ひとりに配られることが決まった10万円の特別定額給付金です。こうしたお金は国から直接皆様に配られるのではなく、一度竜王町の会計を通して給付がされます。どの世帯に、何人いて、申請がまだ人はいるのか?、呼びかけをもう一度しよう、といった細かい事務処理は地域の役場でないと出来ないためです。

そのため竜王町の会計には事務費も含めて約12億円のお金が国から入りました。82億円、という規模はとても大きく見えますが、これは大量の補助金によって膨らんだ、いわゆる「焼け太り」の状態です。

実際には、コロナ禍で執行できなかった予算も複数あります。スー・セー・マリー市との姉妹都市交流事業、秋の文化祭、町民体育大会、といった町民に深く関係する行事や、町の各種事業に対して答申を行う協議会なども開催が見合わされる例が多くありました。

【歳入84億円となったその他の要因】

決算の全体として、金額的には派手ですが、その内容は交付金や補助金による助成や補てんなど「現ナマ」が目立っています。(これは日本全国がこの一年そうでした)

お金の行き先は、主として第一次産業への助成や、家庭の懐と地域の商店を同時に温める地域商品券の配布として行われました。稼ぐ力が低下した業種に積極的にお金が回るようにする、町内で利益を得られる住民の方々が多くなるような形で。という循環性を考えると、こうした取り組みになると思います。

【国と町で半分ずつ】

さきほどの法人税や住民税、ふるさと納税など、竜王町が自前で集めることが出来た税金を自主財源といいます。令和2年度の場合、自主財源は総額43.6億円となりました(R1は47.5億円)。これはかなり多い額ですが、それでも84億円には40億円あまり足りないことになります。

この足りない分をどのように補うかというと、国や県から来るお金が充てられます。これを自主財源に対応する言葉として、依存財源といいます。

これは何にでも使って良いお金ではなく、例えば子ども手当や国政選挙を行うのにかかる費用など、国や県の事業を役場が代わりに行うため、竜王町の会計にお金が入ります。さきほどの一人10万円の給付金事業もこの依存財源に含まれます。国・県からの交付された金額は合計で41.2億円となりました。

決算審査では、国は1/4を補助し、県は2/4補助し、町が1/4を支出した事業で、金額は〇〇円、という説明を受けます。国や県から交付された税金は、町の事業費の一部として盛り込まれます。決算書には合計金額のみが記載されます。数字だけではどのような事業かは分かりませんので、普段から情報収集をして、あの事業は行われたな、とか、あの事業はコロナで一部中止になった割に執行額が多いような気がする、ということを考えて質問をしています。

以降には、今回の決算について質問が上がったことの一部を記載します。私が質問したことも含まれてますが、同僚議員からの質問もあります。

【通学バスの運行経費等】

竜王町は幼稚園と小学校を対象にスクールバスを委託して運行しています。その委託料は燃料費や人件費の高騰によって毎年のように値上がりをしています。2年度の決算額は約2,980万円となりました。4年前までは1,800万円前後で推移していました。

また、八幡竜王線、岡屋線という町内を南北に走るバス路線に対しても竜王町は補助をしています。2年度は総額で約2,360万円となりました。くわえて、町内バスを利用して通学する生徒や学生についても通学定期の補助をしておりそれが、約540万円です。一つひとつの数字は許容範囲だとしても、合算すると5,885万円という金額になります。これはすべて近江鉄道バスに竜王町から流れているお金です。今後も右肩上がりで上がるようなら、町民の負担になるし、考えるときに来ているという話をしました。

【児童虐待と高齢者虐待の相談】

昨今、児童相談所で通報されるが虐待死してしまった、というニュースが報じられています。竜王町でも支援員の方が頻繁に訪問を行っています。訪問は2件36回(児童)、3件(高齢者)という報告でした。いずれの場合も、ご家庭に頻繁に訪れて相談・指導をおこなっていることが分かりました。

【県指定の史跡の除草作業】

令和2年度は雨宮古墳(岡屋)、オウゴ古墳(薬師)、西光寺跡(鏡)の3箇所で草刈りが行われました。合計金額は8.9万円です。金額としては小さいものですが、県史跡なら除草費も県負担であるべきではないか、という質問をしました。回答としては、県の指定であっても町の財産でもあり、地域を守るという観点で町費で支出しているというものでした。こうしたことは、ちりも積もれば大きくなっていくものであると思います。特に今後は担い手が減っていくなかで、維持管理のお金の負担と文化財の活用について考えていく必要が出てくると思います。現在は草刈りをして頂いている地元自治会への助成、という形をとっています。つまり専門の業者に委託した場合、金額はより上がることが考えられます。

【獣害】

ここ数年、町内で捕獲されるイノシシの数は例年減少しており、2年度は40頭ほどが捕獲されました。過去3年で最も多かった平成30年度の130頭と比べるとかなり少ない数字です。この理由としては、豚熱(豚コレラ)の影響で野生のイノシシは数が減少していることが挙げられます。地元の猟友会には役場から委託を行い年間130万円で、イノシシ、カラス、鹿の捕獲が行われています。

【決算認定】

決算審査については、予算決算常任委員会委員の全員賛成で認定することになりました。決算は、すでに使ってしまったお金の審査です。そのため、認定しなかったからといって執行した予算が返ってくるわけではありません。しかし、一年の事業の成果が金額という形で現れるため、お金の先にあるものを見る、ということが非常に大切だと改めて感じました。事業の成果は来年度の予算にも反映されるためです。また、報告書に記載されている説明だけでは分からないこともあり、普段から各課の窓口で話を聞くなど、今後もアンテナを張っていきたいと思います。